オトナ彼氏∞
「ち・よ・こ・れ・い・とっ!やった!勝ったぁ~!」
「まじかよ…。今月厳しいのに…」
りっちゃん達と別れ、私と信は駅までの道を遊びながら辿る
小さい頃よくやった、階段でのじゃんけんゲーム
これだけは誰にも負けたことがないんだよね~!
「ほら、何にするんだ?」
冗談で負けたほうが少し先にあるクレープ屋さんでおごる!なんて言ってたら、信は本当に買ってくれた
「ありがとうございます~!」
私はバナナチョコクリームを手にし、大満足
信は財布の中身を見てため息をついていた
お互いなんだか何を話せばいいのかわからなくて、しばらく沈黙が続いた
信はやっぱりさっきのこと気にしてるのかな
別に信のせいじゃないのに…
「…結花?」
「ん?」
ぼけ~っと歩いていたら、信が振り返った
優しい目をした信と目が合う
「ちょっとだけ寄り道していいか?」
「うん!」
信は私が頷くのを確認すると、そのまま歩きだした
私も黙ったまま後に続く