オトナ彼氏∞
優しく吹く風が私と信の髪を揺らす
「なんか…吸い込まれちゃいそうだね…」
私はまだ夜景から目が離せなかった
「くくくっ!そんなに嬉しいか?」
「うん…」
私は写メろうかと思ったけど、やめた
自分の目にしっかりと焼き付けたいと思ったから
「…あのさ、実はもういっこ話さなきゃいけないんだ」
信はなんだか言いづらそうに話しかけた
「ん?お兄さんのこと?」
「いや、そうじゃない」
信はぐっと一歩私に近づき、距離を縮めた
「…信?」
「俺、すげぇ悩んでたんだ。このことを言おうか言わないか」
信はいつになく真剣で、でもすごい優しい目をしていた
なんだかいつもと違う感じがして、私もかしこまってしまう
「…うん?」
「多分、言わないほうがいいと思う。けどそれじゃ俺が納得できないから…」
「…へ?」
「…俺、結花が好きなんだ」