オトナ彼氏∞



「結花?着いたぞ」



結局信に家まで連れてきてもらった



「楽しかったな。まあ、今度から雄大は留守番だな」



信が笑ってる


その笑顔も、変わらない


…でも


「…信」


「ん?」



言ってしまったら



変わっちゃうのかな



その笑顔も、この関係も…



「…結花?」


「…さっきの…話のこと…なんだけどね?」



「うん」



「私ね…すごくすごく…嬉しい…よ?」



「ああ、ありがとう」



「信には…すごい…助けてもらったり…優しくしてもらったり…感謝してる」



…でも



「…でも、好きとは…違うんだ…」




確かに信のことは好き


でもそれは友達としての好きなんだ



「…ああ。わかってるよ」



「で、でも!気持ちはすっごく嬉しいし、こんな私なんかを好きになってくれてありがたいし…」


「結花、もういいよ」




上手く言葉がまとまらない私を、信は優しく笑う



「ちゃんとわかってるから。もう、いいよ?」


「信…」




言いたいことがたくさんあるのに



上手く言えなかった



< 156 / 226 >

この作品をシェア

pagetop