オトナ彼氏∞



「あ~もう!泣きそうな顔すんなよ」


信は困ったように眉を下げる


「し、してないもん」


「…結花にさ、彼氏いるって聞いた時、俺泣きそうになったよ」



…信が?


わ、私なんかのせいで?



「だからすっげーイライラしてたし、ムカついてた。俺がはやく行動してたら、もしかしたらとか、思ってたし」



あ…


だからあの時(信にバレた時)怒ってたのかな?


あれは怖かったなぁ…




「しかも、さんつけとか…。年上かよみたいな」


「あははは…」



「しかも本当の彼氏じゃないとか言うし。俺、本当泣くかと思った」


「うぐぐ……」




す、すいません…


ハッキリしないで




「ま、今日はふっ切るために告っただけだから。結花はその仮彼氏と頑張ってよ」



「…は、はあ」


「ま、素直に応援はまだ出来ねぇけど…」



信は最後に私にデコピンを一発して、駅へと向かっていった




ちゃんと『ありがとう』も言えなかった



また笑って



話せるのかな








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