オトナ彼氏∞
「…へ?」
一瞬、信が何を言ったのかわからなかった
…しょうぶ?
「…それは、何か理由があるのかな?」
「俺、結花が好きなんです」
…へ?
「し、信っ?!」
ななななな
何を言いだすの!?
よよよ、よりによって正樹さんに!!!
「…ほぉ。それで?」
慌てる私を残し、2人は視線を交わし合う
気づくと周りにはピリピリとした空気が流れていた
「…正樹さんには、兄貴の分まで勝たなきゃいけないんだ」
「蓮の分まで?」
「兄貴は正樹さんのせいで、陸上の道をなくしたんだ」
信は唇を噛み締め、睨むようにして正樹さんを見ていた
…まさか、信が言ってた蓮さんが助けた友達って
「…信君。それは…」
「言い訳なんか聞きません。俺と勝負してください」
信は断固として勝負するのを譲らなかった
しばらくすると、正樹さんは諦めたように小さくため息をついた
「俺もう歳だから動けないぞ?」
「競技は正樹さんが決めてください。ただ条件があります」