オトナ彼氏∞



電車で出会って



名前を知って



電話したりして



デートして




いつの間にか私の心にはいつも正樹さんの笑顔があった




部活ばっかり


勉強ばっかりで退屈だった毎日を



正樹さんの笑顔が一瞬にして変えた




たまに意地悪だけど



優しくて


甘えん坊で




オトナな正樹さん




私みたいなコドモにたくさんのことを教えてくれた






「準備はいいかな?」


雄大がスタートの合図をするらしい



ゴールで待つ私とりっちゃんは、ただ結果を見届けることしかできない





りっちゃんの右手を握りながら、私はスタートの合図を待つ




「…いちについて…よーい…ドンッ!」



雄大の持つ赤い旗が真っ青な空に、すっと重なった



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