オトナ彼氏∞
「汚いけど…どうぞ」
マンションの6階
グレーのドアを開くと、綺麗な廊下が広がる
…き、来ちゃった
正樹さんのお家に
「お、お邪魔します」
「そんなかしこまらないでいいから」
ガチガチな私を正樹さんは笑った
こんな状況で緊張しないほうがおかしいでしょ
「ここ座ってて。今飲み物出すから」
白い革のソファーにゆっくりと腰掛ける
…汚いとか言ってたけど、めちゃくちゃ綺麗だよ
黒い大きなテレビ
シンプルなテーブル
リビングの他には、寝室とお風呂とトイレしかないと、正樹さんは言っていた
…ここで正樹さんは毎日過ごしてるんだ
「何もなくてつまんないだろ?まあ、大体の男の部屋なんてこんなもんだよ」
「いや、すごく綺麗だらビックリしました。多分私の部屋のほうが汚いです」
私が苦笑いしながら話すと正樹さんはオレンジジュースのグラスをテーブルに置いて、私の隣に腰掛けた
突然縮まる距離に私の心臓はドキリと跳ねる
「ふぅん。結花綺麗好きそうなのにな」
「教科書とか雑誌があふれてますよ」
正樹さんの部屋はきちんと収納されてて、無駄なものがない
「ま、結花がくるから掃除したんだけどね」
「あははは!」
おちゃめにウインクした正樹さんを笑ったけど、その何気ない仕種にドキドキしちゃう