オトナ彼氏∞



「…結花、なんでそんな遠いの?」


ぎこちない距離を保つ私に正樹さんは不思議そうな顔をした



「え?い、いや別に…。ふ、普通ですよ?」


「もっとこっち来いって」



正樹さんはなぜか楽しそうに手招きする


…なんか、怖いんですけど



「あ、暑いし…、そんな近くなくても」


「クーラー入ってるじゃん」


「ほ、ほら!私ずっと外いたから汗くさいですし!」


「それなら俺のほうが汗くさいよ」



抵抗すればするほど逃げ場がなくなる



「…そんなに嫌?」


「嫌…じゃなくて…恥ずかしい…です」



結局負けて本音をはいちゃう私



正樹さんには絶対に勝てないよ




「…恥ずかしがるのも可愛いけど。ちょっと寂しいな」


「うっ」


「俺はあんなに頑張ったのに…。結花は何もしてくれないの?」


「………」



か、完敗です…



正樹さんって意外な一面ばかりで、どろが本当の正樹さんかわからないよ




「…じゃ、ちょっとだけ」


「ん?ちょっと?」



私は勇気をだして、30cmほど距離をつめた



でも3人がけの大きなソファーには、まだ大人1人分のスペースがあった



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