オトナ彼氏∞
私はゆっくりとさっきのことを振り返った
「あのね…いきなり電話が鳴って、正樹さんが出たの。そしたら正樹さん急に隣の部屋に消えて…。戻ってきたらもう送るからって…」
『何ソレ?相手は誰かわかんないの?』
りっちゃんも驚いたように声を大きくした
「わかんない…。でも、正樹さん敬語だったから会社の人なのかも」
私はあの時、心臓バクバクで電話の会話なんて全く聞いてなかった
でもなんとなく正樹さんの声や表情が変わったのはわかった
「なんか真剣な顔してた…。仕事のことかな」
『結花はどうせその顔に見とれてたんでしょ』
りっちゃんに図星をつかれ、何も言えなかった
確かにカッコイイと思ったけど…
まさかこれがこの後私と正樹さんに影響を与えるなんて、この時は思いもしなかった