一恋
はじまりの坂
タッタッタッタッ・・・・

下駄箱で靴を履き替えていると、
後ろから足音が近づいてきた。
振り向いてみると、親友の美里がいた。


「佐那ー!今年も同じクラスだよ!」


中2の新学期の朝。
私は胸をときめかせて
学校へ続く坂を上ってたのは
さっきまでの事。

もう桜はほとんど散って、
道路には桜の花で
じゅうたんのようになってた。

私の心もハートが
バラバラ散りばめている。

クラス替えを楽しみにして
学校へ来たのに、
親友に打ち明けられてしまった。


「美里の馬鹿あ!!私楽しみにしてたのに・・・。」


「ごめんごめん;ま、一緒なんだしいいじゃん♪」


「そうだけどさあ~?」


私たちは中学で出会ってから
ずっと一緒。

中高一貫の学校だから
高校も一緒になる、

二人で教室に行くために
階段をかけあがった。


2年生だけどまだ4階の教室。

教室までの階段は長いけど

ウキウキしていたんだ。


教室前の廊下に貼ってある
クラス表の前には
まだ人は戯れていた。

私は見ることもなく、
教室に入ると
新学期だけあって、
みんな早く来ていた。


「あ、おっはよ~佐那、美里!」


「おはよー!」


新しいクラスの人から
たくさん挨拶をされた。

去年もクラスが一緒だった人や、
今年が始めての人、
色んな人がいた。

私は自分の席につくと、
前の席にいたのは初めての子。
うしろの席の子はまだ来てなかった。

先生が入ってくると同時に
みんなは一斉に席についた。


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