一恋
先生が出欠をはじめた。
みんなはざわざわして
呼ばれるのを待っていた。

もうすぐ私の名前が呼ばれる・・・。


「国垣 佐那(クニガキ サナ)。」


「ほ、ほぁい!!」


緊張をしたのか、
返事がおかしくなり、
クラスに笑いが起こる。

私は恥ずかしくて仕方なく、
下を向いていた。

まだ顔も名前も知らない、
後ろの席の子が呼ばれる。


「好田 陽(コノダ ヨウ)。」


「はい。」


男の声だったので
私は後ろを向いた。

あまり男子との関わりがなかったから、
誰が誰だかわからなかったけど、
その人は初めて見た。

髪はちょっと変で
あえて言うならス○夫みたい。

目はめんどくさそうな目で
関わりたくないって顔してたから
すぐ前を向いた。

親友の名前も呼ばれ、
無事出欠が終ると、
始業式に行くといって、
生徒がぞろぞろと廊下に出て並んだ。

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