一恋
「家を出ようと思うんだ。」


その言葉を聞いて、
私の頭の中には色々なことが
ごちゃまぜになっていた。

家出?どうして急に?なんで?

私が聞くまでもなく、
父はまじまじと話し始めた。


「俺はもうここで暮らせない。
 もうお前たちを幸せにはできない。」


もう小学6年生なので
その言葉の意味が私には理解できた。

離婚するんだ。

私はそう思うと、
涙がでてきてしょうがなかった。

悲しいのが主にだけど
それ以外の気持ちもあったと思う。
でもわからなかった。

その姿を見てか、
父も泣き出した。


「ごめんな・・・。
 でももう決めたことだから。」


私にはどうにもできなかったので
気持ちをまぎらわすため
とりあえず遊びに行くことにした。

父も出かけるといって
どこかへ行ってしまった。
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