with you
 そこから普段はあまり通らない道を通り、いつも通る道に入った時だった。


 背後から声をかけられ、振り返る。私の背後には同じ高校の制服を着た人が立っていた。


 彼は私を見ると目を細める。


 初対面で彼を見たことは一度もなかった。


「今、帰り?」


 なれなれしく言われた言葉に、反応に戸惑う。


「どなたですか?」


「俺のこと知らない?」


 私は彼の言葉に頷く。


「二年三組の新井っていうんだけど」


 名前を聞いてもピンとこない。私が知っている先輩は愛理のお兄さんと西原先輩くらいだったからだ。


「名前はこれから憶えてくれればいいよ。俺とつきあってほしいんだけど」


 笑顔でさらっと言われた言葉に耳を疑った。


 告白をされたということなんだろうか。


「意味が分からなかった? 彼女になってほしいって言ったんだけど」


 言い直された言葉に、顔が熱くなる。
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