with you
 依田先輩が振り返ると、西原先輩もうなずいていた。


 こんなことでおびえて情けない。


 本当に嫌になる。


「家まで送るよ。この近くだよね」


「大丈夫です」


「心配だから送らせて」


 彼の言葉に頷いていた。


 さっきの人みたいに距離を詰められても怖くない。


「じゃ、買い出しはよろしく」


「わかった」


「やっぱり大丈夫です」


 私はあわててそう口にする。


 自分のせいで人の予定を妨げることだけはしたくなかったのだ。


「気にしないでいいよ。昼飯を買いに行くだけで、わざわざ男二人で行くようなものでもないし」


 西原先輩は穏やかな声でそう言っていた。


 今まで遠目でしか見たことがなかったけど、すごく優しい雰囲気の人なんだな。

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