with you
「そこまでしなくても大丈夫だよ。昨日みたいなことって滅多にないと思うし」


　依田先輩は涼しい顔をしているけど、私と勝手に一緒に帰ることになって迷惑じゃないんだろうか。


　今でも迷惑そうな顔は全くしなかったからだ。

「でも、お兄ちゃんが一緒じゃなかったら、押し切られてそのままいいって言わされていたんじゃないの？」



　依田先輩の状況説明があまりに的確だったのか、愛理は見てきたようにそう口にする。



　そういわれると、返す言葉もないく、思わず口を噤んでしまっていた。


「それに、一人で帰らせるのは心配だから、お願い」


　そこまで言われると断れずに、愛理の言葉にうなずいていた。


「そのときは教室まで迎えに行くから」


　依田先輩は笑顔を浮かべている。


　彼はそんな妹の突拍子もない提案を受け入れているみたいだった。


　いいのかな。
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