with you
 でも、逆を考えるとだからこそ比べられるということはあるのかもしれない。運動部に入っていない兄と比べられるのが嫌だった、と。


「あとは部活も週二で、遅くまでやらないし。家に早く帰れるからさ」


 学校より家にいるのが好きなタイプなのかな。


 そう思ったけど、口には出せずに先輩の言葉に頷いていた。


 私たちは自分たちの教室のあるフロアにつく。そのとき、廊下を長い髪の毛の人が横切るのに気付いた。彼女は私たちと目が合うと、目を細める。


「おはよう」


 彼女のガラスのような瞳に自分の姿が映っているのを見て、ドキッとしていた。


 彼女が挨拶をしているのは依田先輩なのに。彼女は宮脇先輩といい、依田先輩と西原先輩の友達だった。


 すごくきれいで、だれでも彼女みたいな人に目を奪われてしまうんじゃないかって思うほど。

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