with you

　真由は瞬きをし、思わず私の影に少しだけ隠れた。


　そこに立っていたのは依田先輩と、西原先輩だったのだ。


　そんな彼女をほほえましく思いながら、靴を履き替えると二人のところまで行く。


　依田先輩が笑顔で話しかけてきた。



「帰ろうか」


　本人は否定しているが真由が西原先輩のことを好きなのは周知の事実だと思う。だから、私は彼女に気遣う形で、依田先輩と並んで歩くことになった。


　真由は西原先輩と笑顔で話をしている。そんな二人と分かれ道で別れ、そこから先は依田先輩と二人で帰ることになる。


「今日は何もなかった？　新井から何か言われたりとか」


「大丈夫です。二年生の人とそんなに顔を合わせることはないですから」


「ならよかった」