with you
「気になっている人かな」

「そっか。結構咲って面食いなんだね」


 彼女はそう結論付け、納得したようだった。


「私の本命は石川先輩だからね。いいんだけど」



 その名前はまだ記憶に新しい。同じ中学で女子生徒から人気のあった先輩だった。


 私は一度だけ話をしたことがあるが、そんな人気を裏付けるように穏やかで人当たりのよい人だったのをすぐに思い出せる。


 彼女は彼に二度ほど告白し振られていたが、めげずに彼と同じ高校を受験し、今年の四月からその高校に通うようになっていたのだ。


「先輩って高校でも人気あるの?」


「そうなの。この前だって三年の先輩が告白しているのを目撃してね。断っていたみたいだけどね」


「相変わらずなんだね」


 私は笑顔で答える。彼はどこか西原先輩や依田先輩と似ているのかもしれない。女の子から告白されようが、相手を眼中にも入れていないという雰囲気を放っていた。
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