with you
 翌日、学校に行く途中、真由らしき女の子を見かけた。


その近くには昨日の男の人と、もう一人見かけない人が立っていた。私は思わず名前を漏らしていた。


 真由は振り返ると、私と目が合う。そして、笑顔を浮かべていた。表情がころころ変わってすごく可愛い。そんな彼女の表情に助けられた気がして、目を細めていた。


「おはよう」


 その挨拶に真由も笑顔で答えてくれた。


 でも、そこで我に返る。真由だけではなくて、ほかにもいたということだった。


 男の人が二人。


 顔をあげると、彼らは私を見ていた。


 整った顔立ちをした人にじっと見られて、私は身動きさえできなくなっていた。


 挨拶をしたらいいんだろうか。それとも昨日のように足早に去るべき?


 男の人とほとんど話をしたこともなく、話すという選択肢は最初からなかった。



 迷っていると、私の視界に足の影が映る。

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