with you
「似合うんじゃないかな。でも、無理に着せるのはやめたほうがいいよ」


 依田先輩にそういわれると、絶対着ないと決めた心が揺らいでいた。


 愛理は残念そうにその洋服をソファに置く。


「他にもあるんだ。物置に来ない?」


「お前だって嫌がっていたんだから人に着せるのはどうかと思うよ」


 依田先輩に注意され、愛理は唇を尖らせ、さっき座っていた席に座る。



「でも、咲は絶対似合うと思ったんだけどな」


 ああいうドレスを今まで着たことはなく、それを着ている自分を想像できなかったのだ。


「たくさんああいう洋服があるの?」


「まあね。あまっているけど、捨てるのも持ったいない」


「すごいね」
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