with you
「母親の仕事の関係でいろいろあるんだよ。愛理は小さい頃は母親の着せ替え人形状態だったんだ」


「女装をさせられていたお兄ちゃんよりはマシです」


「女装って母親が勝手に女物の洋服を着せただけだって」


 いつもは落ち着いた様子の先輩の顔がいつになく赤くなる。そんな先輩を見て愛理は笑う。


 どんなに強い口調で言い合っていても、二人の会話は喧嘩をしているとは思えない。


 そんな二人の様子にほほえましく思いに安心しながらも、少しだけ取り残されたような気持ちがあった。
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