with you
 もう辺りは梅雨の気配が立ち込めていた。


 今日も夕方から雨が降ると言っていたのだ。


 真由との買い物は五月の下旬に行き、それまで彼女が保管をしてくれていることになった。


「咲の誕生日は十一月二十三日だっけ?」


 歩き出した足を止め、真由を見る。


 そして頷いた。


「お兄ちゃんと誕生日が近いんだね」


 先輩の誕生日という言葉に反応したけど、口に出せずにいた。


「いつなの?」


 真由は無邪気に笑い、愛理に聞く。


「十二月七日。星座は一緒だね」


 同じ学校であること以外にほとんど共通点がない先輩と「一緒」のことに少し嬉しくなった。


 あれから愛理の家にお邪魔をすることはなかったが、先輩とはたまに顔を合わせるし、朝一緒になることも多かった。
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