with you
 二人と話をしているとそんな疎外感を感じることはあまりなかった。


 愛理は苦笑いを浮かべ、前髪をかきあげる。


「私はテスト前でも別にいいんだけどね。そんなに勉強はしていないし。咲はどう?」


 不意に聞かれた言葉に思わず変な声を出す。


「愛理の誕生日会がいつがいいって話だよ」


「というか、わたしのはしなくていいよ」


 あまり興味がないのかそう言い放つ愛理を真由が説得しようとするが聞く耳を持たない。



「そのときに決めたら?」


「じゃあ、咲のはいいよね」


「何が?」


「咲の誕生日にお祝いするの。咲の家がいいな」


「わたしの誕生日?」


 さっきまで聞き流していた言葉を思い出し、また声を出す。聞き流すだけでその内容を全く理解していなかったのだ。


「でも、家はどうかな。難しいかも」
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