with you

「ごめんね。分からないか。私は依田愛理。あなたたちと同じクラスなんだ」


　その名前でピンとくる。彼は彼女のお兄さんなんだと分かったからだ。


　昨日の人と真由は帰りの約束を交わしていた。さっきの依田さんとその妹さんは何かまた軽く言葉を交わしていた。



　私は先に学校にいったほうがいいのかな。


そのとき、昨日の人がさっきの依田さんという人に学校に促すように言うと、そのまま遠ざかって行ってしまった。



　それから学校につき、昨日の人の名前は西原さんということを真由から教えてもらった。




　その日の学校の帰りは愛理と一緒に帰ることになった。彼女は真由とは違い、私とは同じ方向だった。真由はあの西原さんと一緒に帰るらしい。


　二人は親しいのかな。でも、そんなことを聞くのは忍びなくて、彼女と別れを告げた。


　学校を出たとき、愛理は私に軽く頭を下げる。



「今日は本当にごめんね」


「気にしないで。どちらかといえば私のせいかなって思うの。男の人とあまり話をしたことがないから、どう反応していいかわからなくて」