with you
 いつも愛理と待ち合わせるお店の前で止まっていると、依田先輩がやってきた。


 彼はわたしの近くで止まる。


「おはよう」


「愛理は?」


「今日は先に行ってくれって言っていたよ。一緒に行こうか」


 わたしは彼の言葉に頷いた。


 結局、学校に着くまでまともに話はできなかった。


 でも、今まで謎めいていた存在を少しだけ知ることができ、今までのようにそこまで遠いという印象は受けなかった。



 雨が昼過ぎから降ってきていた。その雨は放課後になってもやむことはなかった。


 昇降口にはいつもに増して人口密度が高いからか、熱気を感じていた。


 靴を履いてた真由の動きが止まる。彼女の先にいたのは西原先輩だった。


 彼は同じクラスの生徒と話をしていた。
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