with you
　愛理を見ると、苦笑いを浮かべた彼女と目が合う。


　愛理が真由のところに行き、一緒に帰ればと声をかけていた。


　真由はなぜかそのことに臆しているようだった。最近、二人はあまり話をしていなかった。真由と先輩の間に何かあったんだろうということはなんとなくわかっていたが、それを聞くことはできなかった。


　そのとき人の気配を感じる。


　顔を上げるとわたしは思わず身を仰け反らせていた。


　だが、彼はそんなわたしに会釈しただけで、愛理のところに行く。


　愛理が今の状況を説明すると、依田先輩は笑っていた。


　真由の頭を撫でる彼を見て、私は気付いたのだ。彼は愛理を見るような目で真由を見ていたことに。


　彼は自分にまかせておけばいいと言うと、西原先輩のところに行く。


　西原先輩と言葉を交わし、二人は一緒に学校を出て行った。
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