【BL】ビターハニー②
「匡さん。今日もカッコイイね!」

―いや、意味わからんから。―

なんて、心の中でツッコミを入れる。変わらない毎日。

変わらないカイン。


「カイン…あのさぁ…」

「嫌だよ。」

「何も言ってないが?」

「匡さん。好きだよ?」

「………」

諦めて欲しかった。

そう、言おうと思っていた。
少なからず、好意を持ち始めたから。

「オレに、道を踏み外せと?」

カインの長い金色の睫毛に縁取られた、碧眼を睨む。

「違う。一緒に歩こうってことだよ。」

にこり。
カインが微笑んだ。

―…バレバレ、か…―

オレが、一歩を踏み出す勇気がないこと。


マフィアで、年上で、オレより背の高い色男。

そんな男を、可愛い、と思ってしまうこと。



「はあ…」

息を吐き、心を決める。



「降参。オレの負けだ。」
苦笑に近い笑みを浮かべ、手を伸ばす。

「一緒に、歩こうか」







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