傷だらけの白猫
タバコの臭い。
懐かしい、また彼を思い出させる。
もしかして、生きてた?
そんなバカみたいな期待は当たり前にはずれ、
後ろにいるのは、
黒の特攻服を身に纏い、銀の長めの髪のしたから整った顔をのぞかせる、男の人だった。
あぁ、この人が彼だったらどんなにいいか。
「何してる?」
鋭く低い声は銀髪の男の人から発されたもので、彼のものではけしてない。
「何もしてない。」
何もしてないよ、ただ眠ろうとしてただけ、永遠に。