傷だらけの白猫
「その傷は?」
すこし優しくなった銀髪男の声が聞こえた。
「傷?」
あたしは自分の体を見てみた。
手首につく赤い傷のコトを言ってるのかな。
「それ、どうした。」
手に根性焼き付けてる不良男にそんな心配されるゆわれはない。
「秘密。」
だけど殴られたら嫌なので
可愛いらしく言ってみた。
「なんだよ、それ。
お前さ、自分から命投げだしたりすんなよ。」
はぃ?
なんであたしが不良男に説教されなきゃなんないの?
「お前に言われたくねぇよ。」
あぁ、言っちゃった。
「怖くねぇし。」
殴られるよりムカつく!
その態度。
軽く睨んでみる。
「だから怖くねんだよ。何してんの?」
何って………。
「だから、別に。
しいて言うなら泊まるトコ探してた。」
うん、家には等分帰るつもりはない。
彼の面影が残っているから。