傷だらけの白猫
「傷?」
彼女はまるで他人ごとのように自分の体を見る。
「それどうした?」
「秘密。」
彼女は可愛く笑顔を作って言った。
「なんだよ、それ。
お前さ、自分から命投げだしたりすんなよ。」
自分でも目茶苦茶言ってんのはよくわかってた。
俺の腕には彼女の傷と同じくらいのタバコの焼き跡があった。
いわゆる根性焼き。
「お前に言われたくねぇんだよ」
彼女はさっきの可愛いらしい笑顔とは正反対のどすの聞いた声で言った。
コイツレディースの頭かなんかか?
「怖くねぇんだよ」
俺がそう言うとプウッと頬を膨らます。
おもしれ……。