珈琲と孤独
耳に響くチャイムが鳴る。
キミは机に手を突っ込み、探しているようだった。
「何を探しているの?」
「孤独から抜け出せる方法」
──いつか、見つかりますように。
彼女は心の中そう願い、笑って彼女も席─といっても隣なのだが─に戻る。
キミは青いドクターグリップを取り出し、ノートを広げて何を書くわけでもなく以前のページに戻ってゆく。
そして彼女も、孤独から抜け出せる方法を見つけに行く。
しかし、無為に時は流れ、孤独から抜け出せる方法は、欠片ほども見つかりはしなかった。
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