乾柴烈火 Volatile affections
「ママ、久しぶり。こっちは相変わらずだよ。相変わらずお店儲かっているみたいだね。」

「せやろぉ?SARS景気やねんもん、うちは。駐在員家族が日本に避難してる今の内に遊ぼ思うてる駐在員でごったがえしてんねん。ていうかあんたらもその口やろ??」

「あー、ばれた?さすがママだね。」

「私が、何年この世界で生きてると思ってんの?殿方の考える事なんて、何でも分かりますよ。」

ママはそういいながら、横の男性の太ももをさすりつつ、しなだれかかる。

「まぁ。そう言う事やったら、私が今晩喜んで相手するけど?」

「い、いや、ママだけは遠慮しておくよ!」

「何でぇ?じゃあ、私と、ここにいる2人の女の子の中で、誰やったらええん?」

「うーん、ママ以外ならどっちでも!」

「なんやねん、それほんまに失礼やで~」

「何でもいいから!あー、お願いだから!もう俺に触らないで、どこか行ってよ!」

「いやや~、ほんまはそんな事思ってへんやろ?せやけど、あなたの横のイケメンの殿方も捨てがたいな。」

「だーめ。ママ、彼は先月来たばっかりの佐々木さんの後任だよ。今日が初めてだから、お手柔らかにね。」

「あら、そうなの。はじめまして~。今日はようこそお越し下さいました。A商事様にはご愛顧頂いております。」

< 25 / 144 >

この作品をシェア

pagetop