乾柴烈火 Volatile affections
私は、

怒りを完全に通り越し

もう笑うことしか

できなかった。

彩の頭には、きっと、

片付けるという単語さえ、

存在しない。

もともと掃除が嫌いではないのと、

朝はコーヒーが欠かせない

私は、

寝ている彩の代わりに

キッチンを片付けた。

片づけ終わった私がリビングで

コーヒーを飲んでいると、

部屋から智子さんが再び出てきて、

片付けられたキッチンを見て、

「もしかして、これ志保ちゃんが片付けたの??あの子がやった事だから、起こしてでもやらせれば良かったのに。」

と言うので、

『ルームシェアをしている以上私が片付けたのは彩のためにも良くないのは分かっている事、私は掃除が苦ではない事、今回の事は私から彩に厳重に注意しておくという事、朝っぱらから叫んでしまって申し訳なかった』

こんな感じの事を話した。

それに対して、

「志保ちゃんが謝ることじゃないよ。いつもあの子が片付けないで汚したところを掃除してくれているの、私は知っていたよ。いつもありがとう。志保ちゃんがそうやって気を使ってくれているのを知っていたのに、私のほうこそこれまで何もせずにごめんね。」


そう言ってくれる知子さんは、

やっぱりいい人だと思った。

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