乾柴烈火 Volatile affections
ママは目を輝かせながら、

過去4回その島に行ったこと

できることなら、

もう1度だけ、

どうしても行きたいの

と言って、

その話を終わらせた。

ママの話が本当なのか、

作り話なのか分かりかねたけど、

そんな世界があるのなら、

私も1度は

そこへ行って見てみたいと、

そう思った。


仕事の後、

彩に、

『ママの今日の島の話すごかったよね』

と言ったら

「私は絶対にいやだ、そんな場所には死んでも行きたくない。何かが絶対におかしいし、人が縛られてルーレットやっているところを見て興奮する人の気がしれない」

と言い放った後で

彼女独特の

人の心を見透かした目で

「志保がもしその世界に惹かれたのであれば、それはあなたが欲深い証拠だね」

とくすりと笑って

おやすみなさいといって

部屋に入っていった。

ああ、そうなのか、

私は少なくとも

彩よりずっと

欲が深いのだと

すんなり納得した。

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