乾柴烈火 Volatile affections
拒絶という技を習得して、

全く愛想を振らずに

牙を剥くようになった私を、

それでも好きだという男の船員は

まだ何人かいて、

そういう男の船員達から

花やチョコレートを

贈られたりする事もあった。

私は、それはそれでよしとした。

花もチョコレートも、

ちやほやされることも、

優しくされる事も、

私を見てくれる事も、

私は大好きだから、

好意はいつだって

ありがたく頂戴した。

私は、間違いなく

尻軽な部類に属する。

それにも関わらず、

船特有のPapaを作るという考え方だけ

何故か受け付けず、

それが自分でも

不思議で仕方なかった。

昔から彼氏がいたって浮気はした。

恋をして浮気する事より、

精神状態が不安定な時に

言い寄られて抵抗できず

その雰囲気に流されて

股を広げた回数の方が遙かに多い。  

只、全く知りもしない男と

One night standをする程

馬鹿ではなかったし

遊び人でもなかった。


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