練乳いちご




――――こてん。


「ん…さんきゅーな、林…。」
「~~っ」



小高くんのちっちゃい頭が、あたしの肩に無防備によりかかる。

頭が安定して落ち着いたのか、小高くんはスースーと寝息をたてはじめた。



「小高くん…。」


手が、勝手に。

さらさらの小高くんの髪に伸びる。


…まぁ、寝てるし、いいよね…


触った髪は見た目通りさらさらで、綺麗に染められている。

それに、女の子より綺麗で、格好良い寝顔。



あたしは何故か急に恥ずかしくなり、慌てて小高くんを見るのを止めた。

逃げるように、鞄に入っていた文庫本を取り出して読む。


…でも、全然内容が頭に入って来なくて。


顔は火照ったまま、それに何故か胸がキュンキュンする。





…一体何なんだろう。

この胸を支配するような、キュンキュンする気持ちは…。






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