練乳いちご
女の裏側
そんな話をしてると、突然廊下が騒がしくなる。
「何だろーね?陽菜ちゃん」
「…あ、日高くんだ。」
陽菜ちゃんの言葉に、ぱっと廊下を見る。
…小高くんだ。
どうしたんだろう、誰か探してるのかな?
小高くんは女子達の歓声を物ともせず、あたしのクラスのドアの所まできた。
そして、小高くんがゆっくりと口を開ける。
「ね、このクラスに林いる?」
周りの女の子から、悲鳴じみた声が漏れる。
…っていうかあたし!?
なんで?!
「はいはーい!聡美ならここだよ」
「ちょっ、陽菜ちゃん…!!」
みんなの前で、恥ずかしいよ…っ
あたしが涙目で睨むも、陽菜ちゃんはにやにや顔のまま。
でも小高くんは、なんでもないように、普通に話しかけてきた。
「おー、林!お前、もう帰る?」
「う、うん」
「じゃあ一緒に帰ろーよ。」