練乳いちご

その笑顔、罠?








「そ、そんな!小高くんは、充分…」

「俺のせいで、いじめられてたんだって?」


あたしを見つめる、まっすぐな目。



「陽菜から、聞いた。」
「陽菜ちゃんから…?」

「ごめん、聡美。」



どくん、と心臓が跳ねる。

…始めてよばれた、あたしの名前…。
小高くんに呼ばれると、なんだか魔法にかけられたみたいに、脳の芯が甘く痺れるような感覚がする。



「お、だか、くん…。」
「…下の名前で、読んで…。」

「…ゆ、ゆう…?」


あたしのおでこと、小高く…、ゆ、優のおでこがくっつく。

顔が近くて、それでも2人で笑いあった。







< 19 / 23 >

この作品をシェア

pagetop