練乳いちご
静かな時間が流れる。
その間もお互いのおでこはくっついてて、何故か安心した。
「聡美、」
「…何?」
顔が、離れた。
…寂しくて、でもくっついてたいなんてワガママは言えなくて。
優はそれを察してくれたのか、クスリ、と笑って、あたしの目元にキスを落とした。
「~っ?!」
「目元、濡れてる。泣いてた?」
恥ずかしくて、恥ずかしくて。
あたしは目線を合わせずに答える。
「痛くて泣いてた…けど、ゆ、優が来てくれたから、もう平気。」
「…そっか。」
そう言って笑う優は、すごく輝いてみえて。
あ、あたし、この日だまりみたいなヒトが大好きなんだって、初めて気づいた。