練乳いちご





「聡美ぃ~!大丈夫だった?!」


それから帰った教室で、陽菜ちゃんに抱きつかれる。

いっつも強気で泣いたトコなんて見た事ないのに、今の陽菜ちゃんは涙と鼻水ででろでろに汚れてた。


それが嬉しくて、嬉しくて。

普段からティッシュとかハンカチなんて持ってないあたしは、制服の裾で陽菜ちゃんの顔を拭った。


今はもう、制服がどうとか関係ない。



ありがとう、って笑う陽菜ちゃんが可愛くて。

あたしまで涙が出てきた。




お互い泣きながら、抱き合う。


「俺も混ぜろよ」


そういって、優まで2人を覆うように抱きついてきた。






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