春うララ~時代劇編~
【ララー7】

ゴゴゴ…



今2人は
勝負の炎を燃やしている。



テーブルに置かれた
かき氷…



この時期、
外から持って来たつららを

粉々にしたものだ。



これを
ジャンケンで負けた方が
食べると言う勝負が
行われている。




事の成り行きは
『忍耐力がないから
春はいつまでたっても
子供』と言う
からかいに対し、

『我慢強さなら大丈夫です』
と春は強く言い返し、

『なら我慢大会をしよう』
と言う話になったのだ




その時点で
すでにララの戦術に
かかっているのに
気付いてない春。




「いっくわよ~

ジャンケンポン!!」




2人は
かけ声を合わせると…




勝ったのはララの方。




「ほ~ほっほっほ!

さあ
食べてもらうわよ!

春は相変わらず
ジャンケン弱いわねえ~」




小春は
必ずジャンケンの時に
一番最初に出すのは
パーなのを
ララは知っていた。




それが分かれば
チョキを出せば
勝負が決まる。




ララの読み通りだ。




「うう~つべたい~
今日こそ立場が逆転
すると思ったのに~…」




せめて子孫には
ジャンケンが強くなって
ほしいもんだと、

どーでもいい願いを
春は思っていた。




「やっぱ春は
頭がパーだけに
パーを出すんだね。

皮肉よね~」




かき氷が虫歯に
身にしみてる春に対し、

更に追加していじめるララ。




鬼ですかアンタは




「もう一回
普通にジャンケンする?

いくわよ。
ジャ~ンケンポン」




グーを出す春に対し
ララはパーで勝った。




彼女は決まって
パーの次はグーを出すのだ。




「グー出すなんて…

グータラ三段腹の春じゃ
体重重さ勝負でしか
アタシに勝てないわね」




「ヒドい!」




毎度おなじみで、
春は泣きながら
外に飛び出した
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