春うララ~時代劇編~
【ララー8】


「ウケケ~
やっちゃる~
やっちゃるでぇ~」





………






なんか…

怪しい人がいる…






夕飯の
買い物を済ませた小春は

長屋の外にいるララを見て
そう思った。






ホントなんか…


今日の先輩は
いつになくイッてる気が…






目が血走ってるのが
遠くからでも分かる。





ララの近くには
川田と
あの人形好き管理人も
居るから

あまり近付きたくはない






あ…気付かれた。






「あ~~~ら春ちゃん

おかえりウフ」






「やあこんにちは
今日もいい人形日和で」






人形日和ってなんだ…?






それにしても

まずまあ珍しい三人が
集まってること。






元・焼けた
先輩の部屋の前で
みんな何してるんだろ?






「皆さん…
こんなとこで一体…」






「それが聞いてよ
春ちゃん。

この間
ララちゃんの火事
あったじゃない?

あれ、
もしかして誰かが
放火した疑いがあるのよ

怖いわね~放火魔って」






アンタのが怖いよ…

とは言えない
心優しき小春。


(逆に優しくないか?)





確かに
川田の言う通り
それが本当なら怖い事だ。






あ、だから
先輩ラリってるのか。





放火の疑いを聞き、
ララは激しく怒りを
表に出していた。






「ウケケ~~
やっちゃるで~
殺しちゃるで~」





ララは包丁を
ベロベロなめまくり
息を荒くした。






あ、ヤべえ

目、イってますね。





しかも
それ、どこの
言葉ですか…






正直、放火魔より
先輩のが怖いです
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