Maidoll Factory
そうと決まれば。

「では、早速ですがメイドールのご注文を承る前に幾つか質問に答えていただきます」

僕は契約書類と羽根ペンをるちるに準備させた。

「まずはお名前と住所をこちらにご記入頂いて…はい、結構です」

少年の記入したものを確認し、今度は僕が羽根ペンを手に取る。

「メイドールの性別は、男性と女性どちらになさいますか?」

メイドールとは、メイドとドールを掛け合わせた造語。

それ故に女性型自動人形の事だと思われがちだが、この工房では男性型のメイドールを製作する事もできる。

ボディガード用途や男手のない一人暮らしの女性などが購入していく。

「えと…僕は女性型がいいです」

控えめに答える少年。

僕は書類の性別欄に『♀』と記入する。

「では、性格設定は如何なさいますか?」

メイドールは人間同様に感情を持ち、性格も個体によって様々に設定できる。

人間ほど感情の起伏はないが、それでも従順なだけではなく、奔放だったり短気だったりクールだったり、いわゆる『ツンデレ』な性格を好むお客様というのも案外多い。

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