Maidoll Factory
とはいっても、人間が創造する『生命』は、神様の創造するそれに比べて遥かに劣る。

おやっさんほどの優れた職人が造り上げた魔法エンジンでも、その限界は2555日間のみ。

どんなにメイドールを大事に大事に扱ったとしても、それ以上は魔法エンジンの魔力がもたない。

つまりメイドールの寿命は7年間なのだ。

魔法技術は日進月歩で進化し、発展しつつあるが、この人工生命という分野においては現在の所、おやっさんの造る魔法エンジンが限界。

人の作りし自動人形は、7年間だけ、パートナーとして寄り添っていられるのだ。

「あとはトオル、お前とるちるに任せた」

首にかけたタオルでびっしょりかいた汗を拭いながらおやっさんが言う。

この役割分担はいつもの事だ。

骨格は僕が、魔法エンジンはおやっさんが担当。

魔法エンジンを組み込んだ後は、僕とるちるでメイドールの造形を担当する。

僕やるちるがこのメイドールファクトリーに入る前は、おやっさんが一人で全て手作りしていたのだけれど、流石にもう年齢が年齢だ。

その技術を若い僕らに教える事にしたらしい。

勿論僕も、おやっさんみたいな凄い人形技師になりたくて、この工房に弟子入りしたのだけれど。

< 24 / 90 >

この作品をシェア

pagetop