Maidoll Factory
「るちるー」

ここで僕は、るちるにバトンタッチする。

「はぁい」

トテトテと、何だかトロ臭い感じの駆け足で作業室に入ってくる彼女。

「顔の造形終わったから、ここからはよろしく。ボディラインのオーダーはグラマーだから、間違えないようにな」

「グラマーですかぁ、うふふふふ」

僕に代わって作業台の前に立ったるちるが、意味ありげに僕を見て笑う。

「な、何だよ…」

「ウブな先輩には、グラマーなメイドールのボディラインなんて造形できませんよねー?」

口元に手を当て、ムフフと笑うるちる。

その頭に。

「いたっ!」

ゴチンとゲンコツを落としてやった。

「先輩いたぁいっ!!」

「余計な事は言わなくていいの。ほらほら、お客様待ってるんだから、さっさとやる」

「はぁい」

膨れっ面で作業に取り掛かるるちる。

顔の造形は僕の足元にも及ばないけれど、逆に女性型のボディラインに関しては、るちるは高い素質を見せる。

何せ彼女も、僕と同じ天空宮学園魔法科錬金クラスの卒業生なのだ。

るちるがこのメイドールファクトリーに弟子入りして以来、メイドールのボディラインは全て彼女が担当している。

「任せて下さい、魅惑のグラマラスボディに仕上げちゃいますよぉ♪」

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