Maidoll Factory
カチンという小気味よい音と共に開く鍵。

「よいしょ…と…」

僕は両手でシャッターを引き上げ、そのまま頭上にまで持ち上げる。

静まり返った路地に響くシャッターの音。

そのまま上まで上がるのを確認すると同時に、僕の目に店の看板が飛び込んできた。

『Maidoll Factory』

ここは機械でも生き物でもない、魔法と科学の融合の末に生まれた不思議な生命、自動人形を創造する工房。

望む人にだけ与えられる、不思議な不思議な邂逅の場所だった。

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