Maidoll Factory
休憩中とはいえ、来店したお客様を無碍にする訳にもいかない。

口の中に残ったサンドイッチをカフェオレ一口で飲み干し、僕はまだ口をモグモグさせているるちると共に店に出る。

…そこにいたのは、サラリーマン風の男性だった。

年齢30歳から40歳くらい。

綺麗に整えられた髪の毛、仕立ての良いスーツ。

営業関係の仕事をされているのかもしれない。

が、そのスーツ姿に似つかわしくないもの。

彼は両手に、一人の少女を抱きかかえていた。

いわゆるお姫様抱っこで抱えられた、黄緑色の長い髪の少女。

身につけているのはポロシャツとホットパンツ。

あまりに普段着である為、専門店に勤める僕らでも、それがメイドールである事にすぐには気づかなかった。

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