Maidoll Factory
店の中に入り、奥へと進む。

更衣室に入ってまずやる事は、作業服でもある白のツナギに着替える事。

脱いだ服をロッカーに押し込み、ツナギのファスナーを上げた所で。

「ふにゃ…?…あれぇ~え…?」

別の部屋から声が聞こえた。

どうやら『昨夜も』らしい。

僕は軽く溜息をついて、『トオル・パブロティ』のネームプレートの貼られたロッカーを閉じた。

声の聞こえた部屋へはまだ行かない。

僕は先に給湯室の方に向かい、まずはコーヒーを淹れる。

インスタントだけど、砂糖もミルクも入れない苦い苦いブラックのコーヒーを1杯。

そのカップを片手にスタスタと廊下を歩き。

「また泊まり込みか?るちる」

苦笑いしながら言ってやった。

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