Maidoll Factory
「全く!」

吐き捨てるようにおやっさんが言う。

「おめぇが『魔法エンジンの基礎だけでも教えて欲しい』っつーから、気が散るのを我慢して見学させてやってたってのに…おめぇこの数ヶ月、ここで何見てたんだ?あぁ?」

「……」

僕は返す言葉もない。

自分のこの目で、おやっさんの技術を盗んだつもりでいた。

手の運び、魔力の加減、力の入れ具合。

全ておやっさんと寸分違わず、同じようにやったつもりだ。

「何が足りないんだろう…魔力の練り込みが足りなかったのかな…」

俯き加減で、僕はそんな事を呟いた。

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