Maidoll Factory
その途端。

「こんのっ大馬鹿野郎がっ!!!!」

本日最大規模のおやっさんの雷が落ちた。

「っ…!!」

僕は肩をすくめ、ビクンッと体を縮こまらせて目を閉じる。

今にも殴られそうな勢いだった。

でも、何でそんなにおやっさんを激怒させたのか、僕には理解できない。

…そんな思いが表情に出たのだろう。

「おい、トオル」

おやっさんは僕の目の前にしゃがみ込んだ。

「おめぇ…一体誰の為にメイドール作ってる?」

「え…?」

その質問に唖然とする。

今更と言えば今更な質問だ。

答えるまでもないと思っていたし、そんなの分かりきってると思っていた。

「そりゃあ…メイドールを買いに来るお客様の為に決まってるじゃないですか。お客様の為に作ってるんです」

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